P沼的プログラミング

PnumaSONの雑記

券売機のススメ

券売機のことといっても、今回メインで話すのは、私がバグを見つけてうへへと思った東京メトロ(たしか東京メトロだが、東京はいろいろあるので違ったかもしれない)の券売機のことではない。

ちなみに、東京メトロの券売機のバグは、なるほど状態遷移図の書き出しが甘かったんだな、でも確かに書洩らしそうではあると思った。

幸いフリーズするようなものではなく、明らかにフロー漏れだと思うが、仕様と言い張れば仕様と言い張れなくもない感じのものだった。

 

話が逸れたが、今回の券売機は東京のラーメン屋に行った際の券売機の話である。

飲食店における券売機の利点は私が思うに大きく分けて4つある。

  1. レジの廃止による効率化
  2. コミュニケーションが不得意でも大丈夫
  3. 頼まれた商品の明確化
  4. 売上の向上

1つめと2つめは機械としての券売機の利点。人件費の削減と来やすさの問題。

3つめは、稀に酔った客とかが自分の頼んだものを間違えて記憶していて、やたら怒ったりするやつ防止や、店員側の聞き間違いとかを防ぐのに使える。

 

4つめだが、売り上げの向上とはどういうことか話していく。

人件費の削減と来客数の増加の時点で売り上げは上がるのだが、それとは別に売り上げを上げうる要素が券売機にはある。

それは券売機における心理的あるいは生理的要因の利用である。

人の心理的な要因として、所有物に対する執着がある。

物を手放す瞬間に痛みを感じるということが、生理学的にも知られている。

ようは、対価として食べ物がもらえるとしても、お金を失うのは嫌だという気持ちがあるわけだ。

ここでポイントなのは「所有物」に対する執着という点だ。

つまり、いったん手から離れてしまえば、その執着は薄れることになる。

頼むタイミングでは自分の所有物である一般的な支払方法と異なり、券売機による方法では、買う以前に自分の手からお金が離れているため、人によって程度は異なるが、執着が薄れ、高いものを買いやすくなるという心理効果が見込めるわけだ。

実際に750円のラーメンを買おうとして1000円札を入れたのにも関わらず、すぐ隣にある1000円のラーメン+半チャーハンセットを購入したというような経験のある方も少なくなのではないかと思う。

ここで大切なのは、ボタンの配置と価格設定である。

1000円ちょうどの商品は非常に良い。この上なく良い。

1000円入れて財布をそのまましまえるのだ。ちょうどいいやと思って押すわけだ。

つまり、750円のラーメンの下かあるいは横にセットメニュー1000円なんかがあれば最高ということだ。

ちなみに、私の行ったラーメン屋では1000円ちょうどのメニューがなかったので、ひとこと言ってやろうかと思ったくらいである。

 

これらを以って私は券売機を薦めるものとする。

商業利用としては、より一層IT技術を利用して、広告みたいにいい塩梅の値段になる組み合わせをサジェストする券売機なんか作ったら、面白いかもしれない。

 

追伸:ちなみにこの考え方は、ICカードやらクレジットカードやらにも準ずるものがあり、どうも目に見えていないお金に対する執着は低くなりがちのようだ。ほかにも引き落としなんかも同様で、現金が見えていないから財布のひもが緩くなる。ソーシャルゲームやネット決済なんかはこういった基盤の上に成り立っているわけだ。